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紫陽花の美しい花を切り花として楽しんだ後、この美しさを自分の庭でも育てられたらと考える方は少なくありません。しかし、実際に紫陽花の切り花を挿し木で育てることが出来るの?いつの時期に行えばいいの?と疑問を持つこともあるでしょう。
この記事では、切り花から挿し穂を選び、適切なカット方法や用土選び方、鉢選び方、そして発根促進剤の活用から、挿し方のポイント、管理場所、水やり頻度、発根までの日数に至るまで、紫陽花を育てるための包括的な情報を提供します。失敗や後悔を避け、成功へと導くための具体的なステップを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
自宅で簡単に!紫陽花の切り花を挿し木で育てる方法

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- 切り花からの挿し木は出来るの?
- 紫陽花挿し木の最適な時期
- 挿し穂の準備とカット方法
- 挿し木に適した用土選び方
- 挿し木に最適な鉢選び方
切り花からの挿し木は出来るの?

紫陽花の切り花から挿し木をすることは十分に可能です。実際、紫陽花は挿し木での活着が良い植物として知られています。しかし、成功するためにはいくつかのポイントがあります。
多くの場合、花を楽しんだ後に剪定で出る枝を利用しますが、切り花でも同様の原理で育てることができます。重要なのは、切り花であっても新鮮で元気な枝を選ぶことです。冷蔵保存され、遠方から運ばれてきたいけばなとして飾られた後の弱った枝では、発根の成功率は下がると考えられます。そのため、できる限り早めに挿し木作業に取り掛かることが重要です。
紫陽花挿し木の最適な時期

紫陽花の挿し木の最適な時期は、花後の6月上旬から7月下旬とされています。梅雨の期間は、湿度が高く、発根に適した環境が整いやすいため、ベストシーズンと言えるでしょう。この時期は、紫陽花が最も活発に成長している時期であり、新しく伸びた緑枝が挿し穂として適しています。
一方で、冬アジサイのように開花時期が早い品種の場合は、5月中旬から7月下旬までが適期とされています。時期を逃してしまうと、発根しにくくなるため、開花後の剪定と合わせて挿し木を行うのがおすすめです。
挿し穂の準備とカット方法

挿し穂の準備は、挿し木の成功を左右する重要な工程です。健康で勢いのある株から、今年伸びた新しい枝で花芽が付いていないものを選びましょう。花が咲かなかった枝、花が咲いた枝、どちらも使用できますが、前述の通り、元気な枝を選ぶことが大切です。
挿し穂の作り方
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まず、長さ15〜20cm程度の枝を用意します。
挿し穂枝 紫陽花はこちら -
一番上の葉を2〜3枚だけ残し、下の葉はすべて取り除きます。これにより、水分の蒸散を抑えることができます。
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残した葉が大きい場合は、水分の蒸発を防ぐため、葉を半分にカットしてください。
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挿し穂の一番下は、水分を吸収しやすくするために斜めにスパッとカットします。この時、節から1.5cm程度のところで切ると良いでしょう。
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カットした挿し穂は、すぐに水にさし、1時間以上水揚げを行います。これにより、挿し穂が水を十分に吸収し、発根しやすくなります。
挿し木に適した用土選び方

挿し木の成功率を高めるためには、目的に合った用土を選ぶことが非常に重要です。結論として、清潔で肥料分を含まない基本用土を単体で使うか、それぞれの土が持つ特性を活かして自分で配合する方法が最適と言えます。
なぜなら、根のない挿し穂は非常にデリケートな状態であり、病原菌への抵抗力が弱いからです 。一般的な培養土に含まれる肥料は、切り口から雑菌を繁殖させ、腐敗の原因となることがあります 。そのため、無菌で栄養分を含まない土を使い、発根に集中できる環境を整える必要があります。また、用土ごとに通気性や保水性といった性質が異なるため、それぞれの長所と短所を理解することが、より良い結果につながります。
以下にお勧めの土を紹介します
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鹿沼土(小粒) 硬質 選別 鹿沼土 小粒
排水性と通気性に優れているのが大きな特徴です 。加えて、乾くと色が白っぽく変わるため、水やりのタイミングが一目で分かり、特に初心者の方にとって管理がしやすいという利点があります 。 -
赤玉土(小粒) あかぎ園芸の「赤玉土 小粒」
通気性、保水性、保肥性のバランスが良く、ほとんどの植物に使える基本用土として信頼されています 。挿し木においては、その安定した性質が挿し穂を支え、発根を助けます。ECサイトで多くのレビューが寄せられている、あかぎ園芸の「赤玉土 小粒」は、汎用性の高さから人気を集めています 。 -
パーライト 瀬戸ヶ原花苑の「パーライト」
土壌改良材として使われることが多い用土です。真珠岩などを高温で発泡させて作られており、非常に軽く、土に混ぜ込むことで通気性と排水性を大幅に向上させる効果があります 。 -
バーミキュライト Sin.の「国産 バーミキュライト」
ひる石を高温で焼いて作られた土で、無菌かつ軽量なのが特徴です 。非常に高い保水性を持ち、挿し木の失敗原因で最も多い乾燥を防ぐのに役立ちます 。
このように、それぞれの用土には異なる役割があります。単体で使用するだけでなく、例えば赤玉土をベースに、排水性を高めたいならパーライトを、保水性を加えたいならバーミキュライトを少量混ぜるなど、自分の環境に合わせて調整することで、挿し木の成功率をさらに高めることができるでしょう。
挿し木に最適な鉢選び方

挿し木を成功させるための鉢選びで、最も重要なポイントは通気性と排水性です。まだ根が出ていない挿し穂は、土中の水分が多すぎると切り口から腐りやすくなります。このため、余分な水分が速やかに排出され、常に新鮮な空気が土の中を行き渡る環境が理想的です。プラスチック製やビニール製のポットは手軽ですが、通気性が低く土が蒸れやすいため、デリケートな挿し木にはあまりおすすめできません。
また、鉢の大きさに関しては以下を参考にしてください。
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1本~数本を個別に挿す場合 2.5号から3号(直径7.5cm~9cm)程度が適しています。挿し穂が倒れずに安定する、最小限のサイズと考えると良いでしょう。
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複数本をまとめて挿す場合 4号から5号(直径12cm~15cm)くらいの「平鉢(ひらばち)」と呼ばれる、深さが浅いタイプの鉢が便利です。これならたくさんの穂を挿しても土が多すぎず、管理の手間も省けます。
挿し木に最もおすすめの鉢【国産三河焼 駄温鉢】
挿し木に使う鉢として、個人的に最も推奨するのが駄温鉢です。駄温鉢は、通気性と排水性に優れながらも、適度な保水性を持っているのが特徴です。これにより、土が極端に乾燥しすぎるのを防ぎ、安定した湿度を保ちやすくなります。国産三河焼は高温でしっかり焼き締められているため丈夫で、安心して長く使えます。
選択肢の一つとなる鉢【イタリア製テラコッタ鉢】
駄温鉢よりも低温で焼かれた素焼き鉢も、通気性と排水性が良好なため挿し木の候補になります。
中でも「イタリア製テラコッタ鉢」は、温かみのある風合いとデザイン性の高さが魅力です。駄温鉢よりもさらに通気性が高いことから、特に過湿を嫌う種類の植物に向いています。
ただし、その通気性の高さゆえに土が非常に乾きやすくなる点には注意が必要です。空気が乾燥しやすい秋の気候では、駄温鉢以上にこまめな水やり管理が求められるため、少し上級者向けの選択肢かもしれません。挿し穂を乾燥させてしまうリスクを考えると、やはり駄温鉢の方がより安全な選択と言えます。
紫陽花の切り花を挿し木で成功させるコツと管理

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- 発根促進剤の活用法
- 挿し方のポイントと注意点
- 挿し木後の適切な管理場所
- 発根までの水やり頻度
- 発根までの日数とサイン
- 紫陽花 切り花 挿し木で株を育てる
発根促進剤の活用法

挿し木の成功率を高めるためには、目的に合った薬剤を選ぶことが非常に重要です。結論として、発根を直接促す「ホルモン剤」と、植物全体の活力を高める「活力剤」の特性を理解し、単体または組み合わせて使用する方法が最適と言えます。
なぜなら、根のない挿し穂は体力がなく、新しい根を出すために大きなエネルギーを必要とするからです。ホルモン剤は発根そのものを強力に後押しする役割を持ち、活力剤は植物全体の生命力を引き出して発根を間接的にサポートする働きがあります。そのため、それぞれの薬剤が持つ効果を理解し、植物の状態に合わせて使い分けることで、発根しやすい環境を整える必要があります。
以下におすすめの製品を紹介します。
ルートン 住友化学園芸の「ルートン 15g」
挿し穂の切り口に直接塗布することで、植物ホルモンが作用し、発根を力強く促すのが大きな特徴です。粉末状で手軽に扱えるため、特に初心者の方が確実性を高めたい場合に適しています。
メネデール メネデールの「植物活力素 500ml」
植物の生長に欠かせない鉄を、吸収しやすいイオンの形で供給する製品です。挿し穂の水揚げ時に使用したり、挿し木後の水やりに加えたりすることで、植物全体の代謝を高めて元気にします。一本あれば幅広い園芸シーンで使える汎用性の高さが魅力です。
HB-101「活力剤」
化学的な成分を避けたい方や、土壌環境の改善から植物の健康を考えたい方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。メネデールが特定の栄養素を補給する「サプリメント」だとすれば、HB-101は体質改善を目指す「漢方」のような存在と考えると、違いが分かりやすいかもしれません。
挿し方のポイントと注意点

挿し穂を土に挿す際には、いくつかの重要なポイントと注意点があります。これらを意識することで、挿し木の成功率が高まります。
挿し方の手順
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水揚げを終えた挿し穂は、あらかじめ水をかけて湿らせておいた用土に挿します。
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割り箸などの細い棒を使って、用土に穴を開けてから挿し穂を一本ずつ挿し込みます。これにより、挿し穂の切り口が傷つくのを防ぎます。
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挿し穂は、葉が隣の挿し穂と重ならないように間隔をあけて挿してください。葉が重なると、風通しが悪くなり、病気の原因になることがあります。
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挿し終わったら、挿し穂の根元を軽く押さえて土を固め、十分に水を与えます。この時、土がしっかりと挿し穂に密着するようにします。
注意点
挿し木したばかりの枝はまだ根が出ていないため、非常にデリケートです。根が気になるからといって挿し穂を抜いて確認することは、発根を妨げる原因となるため、絶対に避けてください。辛抱強く見守ることが大切です。
挿し木後の適切な管理場所

挿し木後の管理場所は、発根の成否に大きく関わります。適切な環境を整えることが重要です。
管理場所のポイント
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直射日光を避ける: 挿し木直後の挿し穂は、直射日光に当たると水分の蒸散が激しくなり、枯れてしまう可能性があります。午前中だけ日が当たるような半日陰や、明るい日陰に置きましょう。暗すぎる場所も発根には適していません。
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風通しの良い場所: 蒸れは病気の原因となるため、風通しの良い場所を選ぶことが大切です。
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乾燥を防ぐ: 挿し穂が乾燥しないよう、適度な湿度を保つ必要があります。
発根までの水やり頻度

挿し木後の水やりは、土の乾燥を防ぐために非常に大切です。ただし、水の与えすぎも根腐れの原因となるため、注意が必要になります。
水やり頻度の目安
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挿し木直後3日間: 毎日たっぷりと水を与えます。土が常に湿っている状態を保ちましょう。
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それ以降: 土の表面が乾いてきたのを確認してから水を与えます。土が湿っているうちに水を与え続けると、過湿状態になり、発根する前に挿し穂が腐ってしまうことがあります。鹿沼土など、乾くと色が変化する用土を使うと、水やりのタイミングが分かりやすくて便利です。
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肥料は与えない: 発根するまでは、肥料を一切与えないでください。肥料分は挿し穂に負担をかけ、発根を妨げる可能性があります。
発根までの日数とサイン

挿し木から発根するまでの期間は、環境や管理状況によって異なりますが、一般的には1ヶ月程度で発根するとされています。
発根のサイン
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新芽の出現: 挿し木から1ヶ月ほど経過し、新しい芽が出てきたら、それが発根している確かなサインです。新しい葉が展開し始めることもあります。
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挿し穂が安定する: 挿し穂を軽く揺らしてみて、土の中でしっかりと固定されていると感じられたら、根が張ってきている可能性が高いです。
これらのサインが確認できたら、育苗ポットや植木鉢への鉢上げを検討することができます。焦らず、挿し穂がしっかりと根付くのを待ちましょう。
紫陽花の切り花を挿し木で株を育てる
紫陽花の切り花を挿し木で育てることは、初心者でも比較的簡単に挑戦できるガーデニングです。剪定で出た枝や、鑑賞後の切り花を有効活用することで、お気に入りの紫陽花を自宅で育てる喜びを味わうことができます。
挿し木は、親木の性質をそのまま受け継ぐため、同じ色や形の花を咲かせることが可能です。鉢植えの場合、上手に育てれば1年後には花を楽しむこともできます。

