芍薬の苗の購入を検討している方は、販売時期について疑問を抱いているのではないでしょうか。美しい花を咲かせる人気種の芍薬を、カインズコメリなどのホームセンターや専門店、あるいは通販で手に入れたいと考える方もいらっしゃいますね。
一方で、購入してからの育て方が難しい、芍薬を庭に植えてはいけないという話を聞き、不安を感じている方もいるかもしれません。また、適切な植え付け時期や用土、肥料、剪定の方法など、育て方に関する多くの疑問もお持ちのことでしょう。
この記事では、そのような疑問にお答えし、芍薬の苗の購入から栽培までを詳しく解説します。
芍薬の苗、販売時期はいつ?
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- 芍薬苗の購入は通販がおすすめ
- ホームセンターのカインズコメリなどでの取り扱い
- 芍薬の苗を扱う専門店について
- 人気種の芍薬を見つけるには
芍薬苗の購入は通販がおすすめ
芍薬の苗は、実店舗だけでなく通販でも購入できます。実店舗では時期が限られることが多いですが、通販では一年を通して販売されている傾向にあります。そのため、自分の都合の良いタイミングで、多くの品種の中から選びたい場合に、通販の利用が大変便利です。例えば、特定の人気種を探している場合でも、幅広い品揃えの中から見つけやすいでしょう。
また、自宅まで配送されるため、持ち帰りの手間がないというメリットもあります。ただし、送料がかかる場合があるため、購入前に確認することをおすすめします。
ホームセンターのカインズコメリなどでの取り扱い
カインズやコメリといったホームセンターでは、春の園芸シーズンに芍薬の苗を多く取り扱っています。特に、398円から980円程度の比較的手頃な価格でポット苗が販売されることがあります。これらの店舗は、実際に苗を見て選びたい方や、園芸用品をまとめて購入したい方にとって便利です。
しかし、品揃えは時期や店舗によって大きく異なり、特定の品種を探している場合には見つからないこともあります。また、人気のある品種は早々に売り切れてしまう可能性も考えられます。
芍薬の苗を扱う専門店について
芍薬の苗を専門に扱う店舗では、一般的なホームセンターでは見かけないような珍しい品種や、高品質な苗を見つけることができます。専門知識を持ったスタッフから栽培のアドバイスを受けられるのも大きな利点です。
一方で、専門店は店舗数が限られていることが多く、近くにない場合は足を運ぶのが難しいかもしれません。また、価格もホームセンターより高めに設定されていることがあります。特定の品種にこだわりたい場合や、より専門的な情報を得たい場合に、専門店の利用を検討すると良いでしょう。
人気種の芍薬を見つけるには
多くの品種がある芍薬の中で、特に人気を集める種類にはいくつかの共通点があります。例えば、雨森農園のランキングでは、鮮やかなオレンジ色のコーラルチャーム、可憐なピンクの一重咲きである踊容、鮮やかな赤のアメリカ、豪華な八重咲きの富士などが挙げられます。また、純白のラテンドールや希少な黄色のプレーリームーン、女性に人気の喜見城、そして牡丹と芍薬のハイブリッドである楊貴妃なども人気があります。これらの人気種は、通販サイトのランキングや園芸専門店の情報、SNSなどで情報を集めることで見つけやすくなります。
以下に、人気の芍薬品種とその特徴を比較表でまとめました。
品種名 |
色の特徴 |
咲き方 |
その他人気の理由 |
コーラルチャーム |
鮮やかなオレンジ色 |
半八重咲き |
時間の経過と共に色が変化する |
踊容 |
可憐なピンク |
一重咲き |
和の雰囲気、珍しい |
アメリカ |
鮮やかな赤 |
一重咲き |
花びらが大きく豪華 |
富士 |
ピンク |
八重咲き |
非常に大きな花、ゴージャス |
ラテンドール |
白に赤の斑入り |
珍しいコントラスト |
|
プレーリームーン |
薄い黄色 |
希少価値が高い |
|
喜見城(キケンジョ) |
ピンクと白 |
可愛らしい見た目、女性人気 |
|
楊貴妃 |
鮮やかな黄色 |
ハイブリッド |
牡丹と芍薬の良いとこどり、花の大きさが特徴 |
芍薬の苗、販売時期に関わらず美しい花を咲かせる育て方
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- 芍薬を庭に植えてはいけない?注意点
- 芍薬の適切な植え付け時期
- 芍薬栽培に適した用土
- 芍薬の肥料と水やりのポイント
- 芍薬の適切な剪定で株を健康に
- 芍薬の苗、販売時期に関わらず購入後の管理が重要
芍薬を庭に植えてはいけない?注意点
芍薬は庭に植えてはいけないということはありません。しかし、庭植えにはいくつか注意点があります。芍薬は日当たりと水はけの良い場所を好む一方で、夏の強い西日には弱い性質を持っています。そのため、植え付ける場所を選ぶ際には、一日中日が当たる場所でも、午後の強い西日が避けられるような工夫が必要です。
例えば、落葉樹の下に植えることで、夏には木陰を作り、冬には葉が落ちて日差しが当たるようにするといった方法が考えられます。また、過湿を嫌うため、水はけの悪い土壌では根腐れを起こす可能性があります。事前に堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良を行い、水はけを良くすることが大切です。
芍薬の適切な植え付け時期
芍薬の植え付けに適した時期は、一般的に9月から10月とされています。この時期に植え付けることで、冬が来る前に根がしっかりと張り、翌年の開花に備えることができます。霜が降りる前に植え付けを完了させることが重要です。
鉢植えの場合も、根詰まりや株の込みすぎを防ぐために、2〜3年ごとに植え替えを行うのが望ましいです。こちらも、9月から10月が適期です。一度植え付けると移植を嫌う性質があるため、庭植えの場合は5年から10年は同じ場所で育てることが推奨されます。
芍薬栽培に適した用土
芍薬を鉢植えで育てる場合、根の健全な成長を促し、病害虫を防ぐためには適切な用土選びが重要です。根の用土はすべて取り除き、鉢底にゴロ土を敷くのが一般的です。推奨される用土の配合としては、赤玉土5、腐葉土3、山砂か桐生砂を2の割合で混合したものが挙げられます。
このような水はけの良い配合土を使用することで、根腐れのリスクを低減できます。また、庭植えの場合も、植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良を行い、水はけと通気性を良くすることが大切です。
芍薬の肥料と水やりのポイント
芍薬の開花を促すためには、適切な時期に肥料を与えることが不可欠です。肥料が不足すると、花が咲きにくくなることがあります。植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として施し、その後は以下のタイミングで追肥を行うのが効果的です。
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早春の芽出し肥: 芽が出てくる時期に追肥を行います。
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花後のお礼肥: 花が咲き終わった後に、株の消耗を回復させるためのお礼肥を与えます。
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秋の追肥: 翌年の花芽形成を促すために、秋にもう一度追肥を施します。
冬には、有機質の固形肥料を寒肥として与えることも有効です。
水やりに関しては、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、水切れを起こさないように注意します。一方で、庭植えの芍薬は、一度根付くとほとんど水やりが不要です。ただし、長期間雨が降らず土が極端に乾燥している場合には、地中深くまで水が染み込むようにたっぷりと水を与えることが大切です。
芍薬の適切な剪定で株を健康に
芍薬の剪定は、主に以下の4つの段階で行われます。これにより、株の健康を保ち、翌年の美しい花に繋げられます。
芽かき
3月頃に行う芽かきは、風通しを良くして病害虫の発生を防ぎ、残す太い茎に栄養を集中させる目的があります。込み合っている茎や細い茎、蕾のない茎を間引くことで、株全体の生育を促します。
摘蕾
4月頃に行う摘蕾は、一つの茎に複数の蕾がついた場合、一番大きな蕾だけを残し、脇の蕾を摘み取る作業です。これにより、栄養が分散されるのを防ぎ、残した蕾が大きく立派な花を咲かせられます。
花がら摘み
5月から6月の開花後に行う花がら摘みは、咲き終わった花を切り取ることです。種子をつけさせないことで、株の余分な栄養消耗を防ぎ、病気の予防にも繋がります。
刈り取り
10月から11月頃の刈り取りは、冬に地上部が枯れる前に行います。枯れた葉や茎を株元から切り取ることで、雑菌の侵入や感染症の原因となる可能性を減らし、清潔な状態を保てます。
これらの剪定を適切に行うことで、芍薬は毎年豊かな花を咲かせると考えられます。
動画で確認したい場合、以下の動画を参考にしてください。

芍薬の苗、販売時期に関わらず購入後の管理が重要
前述の通り、芍薬の苗は通販で一年中手に入り、実店舗でも特定の時期に購入可能です。しかし、購入後の適切な管理が、美しい花を咲かせる上で非常に重要です。芍薬は、日当たりと水はけが良く、有機物に富んだ肥沃な土壌を好みます。特に、冷涼な気候が育ちやすい環境ですが、暖地でも十分に栽培できることが知られています。葉には十分な日光が当たり、株元は日陰になるような環境が理想的です。これは、地温の上昇と乾燥を防ぐ効果が期待できるためです。
また、鉢植えで育てる場合は8号以上の大鉢を選び、根をしっかりと張らせることが良い花を咲かせるポイントになります。年間を通して屋外で管理し、春と秋は十分に日光が当たる場所、夏は風通しが良く西日の当たらない半日陰、冬は寒風が当たらない暖かい場所に置くのが理想的です。病害虫対策としては、うどんこ病や灰色かび病、葉枯れ病などへの注意が必要です。これらを予防するためには、土壌環境の改善と栽培環境の整備が第一に考えられます。
このように、芍薬の苗は販売時期にとらわれず入手できますが、その後の丁寧なケアが、毎年美しい花を楽しむための鍵となります。